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2025.11.04

食品・医薬機器向けステンレス加工で注意すべき衛生仕上げ

【コラム】食品・医薬機器向けステンレス加工で注意すべき衛生仕上げ

 

(埼玉県三郷市・株式会社木村工業)

 

食品・医薬機器などの設備では、見た目の美しさだけでなく、

衛生性・洗浄性・耐久性が求められます。
ステンレスはこれらの要求に適した素材ですが、
加工方法や仕上げ処理の違いによって、清潔さや長期耐用性に大きな差が生じます。
ここでは、食品・医薬分野向けステンレス製品を製作する際に注意すべき衛生仕上げのポイントを、
実際にホッパーや加圧タンクを手がける株式会社木村工業が解説します。

 

① 衛生仕上げの目的とは?

 

食品・医薬機器におけるステンレスの衛生仕上げは、

単に「見た目をキレイにする」ためではありません。
最大の目的は、
・汚れや異物が付着しにくくする
・微生物やカビの繁殖を防ぐ
・洗浄・滅菌をしやすくするという衛生環境の維持です。
このため、表面粗さ(Ra値)や溶接部の仕上げ状態が非常に重要になります。

 

② ステンレスの代表的な仕上げ種類と衛生性の違い

 

 

食品・医薬向けでよく使われる仕上げを比較すると、
次のような特徴があります。

仕上げ方法

 


特徴


衛生性


コスト感


2B仕上げ(素材のまま)


工業用の標準表面。光沢は少なめ。


△ 普通


◎ 低コスト


バフ研磨(#400仕上げ)


滑らかで光沢のある仕上げ。汚れが付きにくい。


○ 良好


△ 中コスト


電解研磨


電気化学的に表面を溶解して平滑化。耐食性と衛生性が最も高い。


◎ 非常に良い


▲ 高コスト


バイブレーション仕上げ


細かい研磨パターンで高級感があり、外装にも適する。


○(外装向け)


△ コスパ良し


 

食品・医薬機器の内面仕上げには「バフ研磨」や「電解研磨」がよく採用されます。

一方、外装カバーや装置フレームなどには「バイブレーション仕上げ」も多く使われます。

 

③ 溶接部の仕上げと焼け取り処理

 

溶接後の焼け(酸化皮膜)は、腐食や細菌繁殖の原因になることがあります。

そのため、焼け取り処理(酸洗いまたは電解処理)は衛生仕上げの基本です。
木村工業では、溶接後に以下のような処理を行っています。
・焼け取り剤による酸洗い処理
・必要に応じて電解焼け取りで酸化皮膜を除去
・最終仕上げにバフ研磨または電解研磨を実施
これにより、溶接部も母材と同等の平滑性・衛生性を確保しています。

 

④ バイブレーション仕上げの活用と木村工業の強み

 

食品・医薬装置では、内面は鏡面・外面はマットな仕上げが求められるケースが多くあります。

その外観仕上げとして最適なのが、バイブレーション仕上げです。
木村工業では、独自の研磨ノウハウにより、
美観性・コスト・作業効率のバランスに優れたバイブレーション仕上げを得意としています。
通常より低コストで高品質な表面を実現できるため、
装置の外面・カバー類・フレームなど、衛生的で高級感ある外観を求めるお客様から高い評価をいただいています。

 

⑤ 衛生仕上げの品質を保つための注意点

 

せっかく高品質な仕上げを行っても、

納入後の取り扱いやメンテナンス次第で品質が低下することがあります。
衛生性を長く維持するためには:
・酸・アルカリ系の強い洗剤を避ける
・鉄製工具で傷をつけない
・使用後は水分をしっかり除去
・定期的に清掃・再研磨を実施
といった点に注意が必要です。

 

🔧 まとめ:衛生仕上げは「見た目」よりも「安全性」

 

食品・医薬機器向けのステンレス加工では、

見た目の光沢以上に、清掃性・耐食性・溶接仕上げの品質が重要です。
木村工業では、
内面:バフ研磨または電解研磨
外面:バイブレーション仕上げ
という構成で、衛生性とデザイン性を両立したステンレス製品を数多く製作しています。

 

▶ 食品・医薬機器向けステンレス加工のご相談は木村工業へ

 

株式会社木村工業では、

埼玉県三郷市を拠点に関東・東京近郊の食品・医薬・化学分野向けタンク・ホッパー・装置部品を製作しております。
内外面の仕上げ・電解研磨・溶接・検査まで、一貫対応が可能です。
1点試作から量産まで、お気軽にご相談ください。

 

📞 048-960-0275

📍 埼玉県三郷市新和三丁目125
🌐 https://kimurakogyo-hopper.co.jp

この記事を書いた人

役職

高橋 和志

現場で火花を散らす溶接作業から、会社の魅力を発信する広報、そしてお客様窓口として信頼を築く営業まで、日々フル回転で活動してます。

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